晴れ時々相場
マイクのトレード学研究記
2014-10-02 19:07 |
カテゴリ:相場の科学
こんにちは、マイクです。
先日の記事で募集したプロスペクト理論に関するアンケート第2弾、おかげさまで55名もの方に回答を頂きました!
ご協力ありがとうございました♪
では、早速、結果を見てみましょう!
まず、質問の内容はこちら:
【質問3】
■あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で100万円が手に入る。
B: サイコロを投げ、目の数に応じて以下の金額をもらう(+)又は支払う(-)
1: -100万円
2: ±0円
3: +100万円
4: +200万円
5: +300万円
6: +400万円
そして、みなさんの回答の集計結果は以下のグラフのようになりました:

おー!
今回はA、Bがほぼ拮抗していますね!
実は・・・
期待損益を考えれば有利なのは断然Bなんです!!
Bにおける損益の期待値(万円)は、
\begin{equation}
\mu=\sum_{j=1}^6 p_j x_j=\frac{-100+0+100+200+300+400}{6}=150
\end{equation}
となり、Aの1.5倍もあります!
もし、これだけを考えれば、Bを選ぶ方が圧倒的に合理的だとも言えます。
しかし、Bの場合、もし1の目が出たら100万円支払わなければならないというリスクがあります。
価値関数によって、このリスクに対する恐怖感が増幅されるわけです。
先日の記事でも計算した、「総合価値」\(V\)を、A・Bそれぞれについて計算してみましょう。
おさらいですが、総合価値は次式で算出されます:
\begin{equation}
V=\sum_{j=1}^n v(x_j) p_j
\tag{1}
\end{equation}
ここで、\(n\)は起こりうるイベントの数、\(x_j\)は\(j\)番目のイベントにおける損益(万円)、\(p_j\)は\(j\)番目のイベントが起こる確率、\(v\)は価値関数で、
\begin{equation}
v=\left\{
\begin{array}{l}
x^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x\ge 0\\
-\lambda (-x)^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x< 0
\end{array}
\right.
\end{equation}
で表されます。
先日の例では\(\alpha=1/3\)、\(\lambda=3\)のグラフをお見せしましたね。
これです:
■価値関数

そして、価値関数の特徴:
■価値は金額に比例せず、
(1) 儲けた時は上に凸、損した時は下に凸
(2) 原点を中心に点対称でなく、損した時の方が急勾配
のうち、(1)を\(\alpha\)が、(2)を\(\lambda\)が、それぞれ決定しています。
特に今回のアンケートでは、損するケースが存在するため、特徴(2)が強い影響力を持っています。
では、\(\alpha=1/3\)、\(\lambda=3\)として、総合価値を計算してみましょう。
結果は:
Aの場合、\(V=4.64\)
Bの場合、\(V=1.77\)
となります。
Aの方がかなり大きいですね。
これに従うと、アンケート結果でも、Aを選ぶ人の方がかなり多くなってもよさそうな気がします。
実際はそうならなかったわけですから、価値関数の非線形性が強すぎたのかも知れません。
そこで、価値関数を少し直線に近づけてみましょう。
試しに\(\alpha=2/3\)、\(\lambda=3/2\)としてみます。
グラフで先ほどの価値関数と比較すると次のようになります:
■価値関数の比較

だいぶ直線に近くなりましたね。
この価値関数を用いて、総合価値を計算してみると:
Aの場合、\(V=21.5\)
Bの場合、\(V=20.4\)
となりました。
ほぼ同じ大きさになりましたね。
これだとアンケート結果とも整合します。
なんと!
アンケート結果を基に、価値関数のパラメタ推定までできてしまいました♪
いずれにしても、価値関数という概念を用いることで、期待損益だけから考えると不合理に思える人間の意思決定のプロセスが、上手く説明できることがわかって頂けたと思います。
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先日の記事で募集したプロスペクト理論に関するアンケート第2弾、おかげさまで55名もの方に回答を頂きました!
ご協力ありがとうございました♪
では、早速、結果を見てみましょう!
まず、質問の内容はこちら:
【質問3】
■あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で100万円が手に入る。
B: サイコロを投げ、目の数に応じて以下の金額をもらう(+)又は支払う(-)
1: -100万円
2: ±0円
3: +100万円
4: +200万円
5: +300万円
6: +400万円
そして、みなさんの回答の集計結果は以下のグラフのようになりました:

おー!
今回はA、Bがほぼ拮抗していますね!
実は・・・
期待損益を考えれば有利なのは断然Bなんです!!
Bにおける損益の期待値(万円)は、
\begin{equation}
\mu=\sum_{j=1}^6 p_j x_j=\frac{-100+0+100+200+300+400}{6}=150
\end{equation}
となり、Aの1.5倍もあります!
もし、これだけを考えれば、Bを選ぶ方が圧倒的に合理的だとも言えます。
しかし、Bの場合、もし1の目が出たら100万円支払わなければならないというリスクがあります。
価値関数によって、このリスクに対する恐怖感が増幅されるわけです。
先日の記事でも計算した、「総合価値」\(V\)を、A・Bそれぞれについて計算してみましょう。
おさらいですが、総合価値は次式で算出されます:
\begin{equation}
V=\sum_{j=1}^n v(x_j) p_j
\tag{1}
\end{equation}
ここで、\(n\)は起こりうるイベントの数、\(x_j\)は\(j\)番目のイベントにおける損益(万円)、\(p_j\)は\(j\)番目のイベントが起こる確率、\(v\)は価値関数で、
\begin{equation}
v=\left\{
\begin{array}{l}
x^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x\ge 0\\
-\lambda (-x)^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x< 0
\end{array}
\right.
\end{equation}
で表されます。
先日の例では\(\alpha=1/3\)、\(\lambda=3\)のグラフをお見せしましたね。
これです:
■価値関数

そして、価値関数の特徴:
■価値は金額に比例せず、
(1) 儲けた時は上に凸、損した時は下に凸
(2) 原点を中心に点対称でなく、損した時の方が急勾配
のうち、(1)を\(\alpha\)が、(2)を\(\lambda\)が、それぞれ決定しています。
特に今回のアンケートでは、損するケースが存在するため、特徴(2)が強い影響力を持っています。
では、\(\alpha=1/3\)、\(\lambda=3\)として、総合価値を計算してみましょう。
結果は:
Aの場合、\(V=4.64\)
Bの場合、\(V=1.77\)
となります。
Aの方がかなり大きいですね。
これに従うと、アンケート結果でも、Aを選ぶ人の方がかなり多くなってもよさそうな気がします。
実際はそうならなかったわけですから、価値関数の非線形性が強すぎたのかも知れません。
そこで、価値関数を少し直線に近づけてみましょう。
試しに\(\alpha=2/3\)、\(\lambda=3/2\)としてみます。
グラフで先ほどの価値関数と比較すると次のようになります:
■価値関数の比較

だいぶ直線に近くなりましたね。
この価値関数を用いて、総合価値を計算してみると:
Aの場合、\(V=21.5\)
Bの場合、\(V=20.4\)
となりました。
ほぼ同じ大きさになりましたね。
これだとアンケート結果とも整合します。
なんと!
アンケート結果を基に、価値関数のパラメタ推定までできてしまいました♪
いずれにしても、価値関数という概念を用いることで、期待損益だけから考えると不合理に思える人間の意思決定のプロセスが、上手く説明できることがわかって頂けたと思います。
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2014-10-01 11:53 |
カテゴリ:相場の科学
こんにちは、マイクです。
おとといの記事で募集したプロスペクト理論に関するアンケート第2弾、続々と回答が集まっています!
現在、30名の方に投票して頂いています♪
みなさん、ありがとうございます!
今回の質問はこれでしたね:
【質問3】
■あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で100万円が手に入る。
B: サイコロを投げ、目の数に応じて以下の金額をもらう(+)又は支払う(-)
1: -100万円
2: ±0円
3: +100万円
4: +200万円
5: +300万円
6: +400万円
今回も非常に興味深い傾向が表れてきていますよ!
途中経過も見れるのでチェックしてみてください。
まだ投票がお済みでない方は、受付が明日10月2日の正午12:00までなので、お早目にお願いします♪
投票はこちらから
↓↓↓↓↓↓↓↓
■プロスペクト理論(6):アンケート第2弾
応援もよろしくお願いします♪
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おとといの記事で募集したプロスペクト理論に関するアンケート第2弾、続々と回答が集まっています!
現在、30名の方に投票して頂いています♪
みなさん、ありがとうございます!
今回の質問はこれでしたね:
【質問3】
■あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で100万円が手に入る。
B: サイコロを投げ、目の数に応じて以下の金額をもらう(+)又は支払う(-)
1: -100万円
2: ±0円
3: +100万円
4: +200万円
5: +300万円
6: +400万円
今回も非常に興味深い傾向が表れてきていますよ!
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まだ投票がお済みでない方は、受付が明日10月2日の正午12:00までなので、お早目にお願いします♪
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2014-09-29 16:23 |
カテゴリ:相場の科学
こんにちは、マイクです。
前回の記事で予告したように、今日はもう一つアンケートを募集したいと思います。
あ、これまでの流れを確認したい方は、
・プロスペクト理論(1):アンケート緊急募集
・プロスペクト理論(2):アンケート途中経過
・プロスペクト理論(3):アンケート結果とその分析
・プロスペクト理論(4):アンケート結果とその分析(続き)
・プロスペクト理論(5):アンケート結果とその分析(その3)
をおさらいしてくださいね。
このアンケートは価値関数の特性が人の意思決定にどのように作用するかを総合的に見れるものとなっています。
どうか、投票にご協力ください!
【質問3】
■あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で100万円が手に入る。
B: サイコロを投げ、目の数に応じて以下の金額をもらう(+)又は支払う(-)
1: -100万円
2: ±0円
3: +100万円
4: +200万円
5: +300万円
6: +400万円

どうでしょうか?
Bの場合にはサイコロで6の目が出れば400万円もらえますが、1の目が出たら100万円払わなければなりません。
みなさんの素直な気持ちで、投票をお願いします!
期限はまた3日間にしましょうね(2014/10/02(木)12:00まで)。
では、投票はこちらから
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(【性別】【年齢】【地域】とありますが、特に必要ありません)
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前回の記事で予告したように、今日はもう一つアンケートを募集したいと思います。
あ、これまでの流れを確認したい方は、
・プロスペクト理論(1):アンケート緊急募集
・プロスペクト理論(2):アンケート途中経過
・プロスペクト理論(3):アンケート結果とその分析
・プロスペクト理論(4):アンケート結果とその分析(続き)
・プロスペクト理論(5):アンケート結果とその分析(その3)
をおさらいしてくださいね。
このアンケートは価値関数の特性が人の意思決定にどのように作用するかを総合的に見れるものとなっています。
どうか、投票にご協力ください!
【質問3】
■あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で100万円が手に入る。
B: サイコロを投げ、目の数に応じて以下の金額をもらう(+)又は支払う(-)
1: -100万円
2: ±0円
3: +100万円
4: +200万円
5: +300万円
6: +400万円

どうでしょうか?
Bの場合にはサイコロで6の目が出れば400万円もらえますが、1の目が出たら100万円払わなければなりません。
みなさんの素直な気持ちで、投票をお願いします!
期限はまた3日間にしましょうね(2014/10/02(木)12:00まで)。
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2014-09-28 10:30 |
カテゴリ:相場の科学
こんにちは、マイクです。
では、早速、【質問2】の分析に移りましょう。
あ、これまでの流れを確認したい方は、
・プロスペクト理論(1):アンケート緊急募集
・プロスペクト理論(2):アンケート途中経過
・プロスペクト理論(3):アンケート結果とその分析
・プロスペクト理論(4):アンケート結果とその分析(続き)
をおさらいしてくださいね。
【質問2】はこのような内容でした:
あなたは200万円の負債を抱えています。その時、あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で負債100万円が減額され、負債残高が100万円になる。
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債残高は変わらない。
ここで問題になるのが、どの状態を「リファレンスポイント」に置くかということです。
リファレンスポイントとは、価値関数の横軸が0のところです。
【質問1】の場合には、特に前提条件がなかったので、損益±0の状態がリファレンスポイントになります。
ところが、【質問2】では、このような前提条件がありました:
■あなたは200万円の負債を抱えています
これをどう解釈するかが、人によって違ってきます。
つまり、
(1) 200万円の負債を抱えている状態を原点に置く
(2) 負債がなかった状態を原点に置く
という2つの思考パターンがあるわけです。
では、それぞれについて、総合価値の算定をしてみましょう。
まず、(1)の場合:
200万円の負債を抱えている状態が原点であれば、
A: 無条件で負債100万円が減額され、負債残高が100万円になる。
というイベントは、確定的に100万円をもらえることと等価です。
つまり、\(n=1\)、\(x_1=100\)、\(p_1=1\)となります。
これを前回記事の式(1)に代入すると、\(V=4.64\)です。
一方、
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債残高は変わらない。
の場合イベントは2つ、同じ確率で起こり、\(n=2\)、\(x_1=200\)、\(x_2=0\)、\(p_1=p_2=0.5\)となります。
これを前回記事の式(1)に代入すると、\(V=2.92\)です。
つまり、リファレンスポイントを現在の200万円の負債を抱えている状態に置いている人はAを選ぶわけです。
では、(2)の場合はどうでしょうか?
負債がなかった状態が原点であれば、
A: 無条件で負債100万円が減額され、負債残高が100万円になる。
というイベントは、確定的に-100万円の状態になるということです。
ということは、\(n=1\)、\(x_1=-100\)、\(p_1=1\)ですね。
これを式(1)に代入すると、\(V=-13.92\)です。
一方、
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債残高は変わらない。
の場合イベントは2つ、同じ確率で起こり、\(n=2\)、\(x_1=0\)、\(x_2-200\)、\(p_1=p_2=0.5\)となります。
これを式(1)に代入すると、\(V=-8.77\)です。
おー、(2)の思考パターンの場合には、Aの価値がずいぶん低く、相対的にBの方が価値が高くなっています!
つまり、思考パターン(1)のように考える人はAを、思考パターン(2)のように考える人はBを選ぶことが合理的と考えられます。
実際の回答結果は、Aを選んだ人が2/3、Bを選んだ人が1/3でした。
思考パターン(1)のように考える人が多かったことが推測できますね。
ところでみなさん、価値関数の2つの特徴、憶えてますか?
■価値は金額に比例せず、
(1) 儲けた時は上に凸、損した時は下に凸
(2) 原点を中心に点対称でなく、損した時の方が急勾配
でしたよね。
今回の【質問1】【質問2】は、共に特徴(1)が反映されたものでした。
実は、マイクは特徴(2)が実際にどういう影響を及ぼすか、非常に興味があります。
という訳で、次回にはこの特徴が反映されるアンケートをやってみたいと思います!
みなさん、お楽しみに♪
うん、どんなんだろ~って思ったら、ポチっと応援お願いします♪
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では、早速、【質問2】の分析に移りましょう。
あ、これまでの流れを確認したい方は、
・プロスペクト理論(1):アンケート緊急募集
・プロスペクト理論(2):アンケート途中経過
・プロスペクト理論(3):アンケート結果とその分析
・プロスペクト理論(4):アンケート結果とその分析(続き)
をおさらいしてくださいね。
【質問2】はこのような内容でした:
あなたは200万円の負債を抱えています。その時、あなたの目の前に以下の2つの選択肢が提示されました。どちらを選びますか?
A: 無条件で負債100万円が減額され、負債残高が100万円になる。
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債残高は変わらない。
ここで問題になるのが、どの状態を「リファレンスポイント」に置くかということです。
リファレンスポイントとは、価値関数の横軸が0のところです。
【質問1】の場合には、特に前提条件がなかったので、損益±0の状態がリファレンスポイントになります。
ところが、【質問2】では、このような前提条件がありました:
■あなたは200万円の負債を抱えています
これをどう解釈するかが、人によって違ってきます。
つまり、
(1) 200万円の負債を抱えている状態を原点に置く
(2) 負債がなかった状態を原点に置く
という2つの思考パターンがあるわけです。
では、それぞれについて、総合価値の算定をしてみましょう。
まず、(1)の場合:
200万円の負債を抱えている状態が原点であれば、
A: 無条件で負債100万円が減額され、負債残高が100万円になる。
というイベントは、確定的に100万円をもらえることと等価です。
つまり、\(n=1\)、\(x_1=100\)、\(p_1=1\)となります。
これを前回記事の式(1)に代入すると、\(V=4.64\)です。
一方、
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債残高は変わらない。
の場合イベントは2つ、同じ確率で起こり、\(n=2\)、\(x_1=200\)、\(x_2=0\)、\(p_1=p_2=0.5\)となります。
これを前回記事の式(1)に代入すると、\(V=2.92\)です。
つまり、リファレンスポイントを現在の200万円の負債を抱えている状態に置いている人はAを選ぶわけです。
では、(2)の場合はどうでしょうか?
負債がなかった状態が原点であれば、
A: 無条件で負債100万円が減額され、負債残高が100万円になる。
というイベントは、確定的に-100万円の状態になるということです。
ということは、\(n=1\)、\(x_1=-100\)、\(p_1=1\)ですね。
これを式(1)に代入すると、\(V=-13.92\)です。
一方、
B: コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債残高は変わらない。
の場合イベントは2つ、同じ確率で起こり、\(n=2\)、\(x_1=0\)、\(x_2-200\)、\(p_1=p_2=0.5\)となります。
これを式(1)に代入すると、\(V=-8.77\)です。
おー、(2)の思考パターンの場合には、Aの価値がずいぶん低く、相対的にBの方が価値が高くなっています!
つまり、思考パターン(1)のように考える人はAを、思考パターン(2)のように考える人はBを選ぶことが合理的と考えられます。
実際の回答結果は、Aを選んだ人が2/3、Bを選んだ人が1/3でした。
思考パターン(1)のように考える人が多かったことが推測できますね。
ところでみなさん、価値関数の2つの特徴、憶えてますか?
■価値は金額に比例せず、
(1) 儲けた時は上に凸、損した時は下に凸
(2) 原点を中心に点対称でなく、損した時の方が急勾配
でしたよね。
今回の【質問1】【質問2】は、共に特徴(1)が反映されたものでした。
実は、マイクは特徴(2)が実際にどういう影響を及ぼすか、非常に興味があります。
という訳で、次回にはこの特徴が反映されるアンケートをやってみたいと思います!
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2014-09-26 23:59 |
カテゴリ:相場の科学
こんばんは、マイクです。
お待たせしました、アンケート結果とその分析の続きです。
前回の記事を読んでから見てくださいね。
さて、まず【質問1】からいきましょう。
選択肢、A・Bそれぞれの「総合価値」\(V\)を計算してみます。
総合価値は次式で算出されます:
\begin{equation}
V=\sum_{j=1}^n v(x_j) p_j
\tag{1}
\end{equation}
ここで、\(n\)は起こりうるイベントの数、\(x_j\)は\(j\)番目のイベントにおける損益(万円)、\(p_j\)は\(j\)番目のイベントが起こる確率、\(v\)は価値関数で、
\begin{equation}
v=\left\{
\begin{array}{l}
x^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x\ge 0\\
-\lambda (-x)^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x< 0
\end{array}
\right.
\end{equation}
(\(\alpha=1/3\)、\(\lambda=3\))で表されます。
つまり、総合価値というのは、価値関数によって得られる価値を各イベントの確率によって重み付けして平均を取ったものと言えます。
まず、
A: 無条件で100万円が手に入る。
この場合イベントは1つしかない(確定的)なので、\(n=1\)、\(x_1=100\)、\(p_1=1\)となります。
これを式(1)に代入すると、\(V=4.64\)です。
次に、
B: コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
この場合イベントは2つで、同じ確率で起こるので、\(n=2\)、\(x_1=200\)、\(x_2=0\)、\(p_1=p_2=0.5\)となります。
これを式(1)に代入すると、\(V=2.92\)です。
おー、Aの総合価値の方がBの総合価値よりずいぶん大きいですね!
それで圧倒的多数の方が選択肢Aを選んだわけですね♪
ちょっと式を追うのに疲れましたか?
じゃあ【質問2】の分析はまた明日にしましょうね!
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お待たせしました、アンケート結果とその分析の続きです。
前回の記事を読んでから見てくださいね。
さて、まず【質問1】からいきましょう。
選択肢、A・Bそれぞれの「総合価値」\(V\)を計算してみます。
総合価値は次式で算出されます:
\begin{equation}
V=\sum_{j=1}^n v(x_j) p_j
\tag{1}
\end{equation}
ここで、\(n\)は起こりうるイベントの数、\(x_j\)は\(j\)番目のイベントにおける損益(万円)、\(p_j\)は\(j\)番目のイベントが起こる確率、\(v\)は価値関数で、
\begin{equation}
v=\left\{
\begin{array}{l}
x^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x\ge 0\\
-\lambda (-x)^{\alpha} \qquad \mathrm{if} \quad x< 0
\end{array}
\right.
\end{equation}
(\(\alpha=1/3\)、\(\lambda=3\))で表されます。
つまり、総合価値というのは、価値関数によって得られる価値を各イベントの確率によって重み付けして平均を取ったものと言えます。
まず、
A: 無条件で100万円が手に入る。
この場合イベントは1つしかない(確定的)なので、\(n=1\)、\(x_1=100\)、\(p_1=1\)となります。
これを式(1)に代入すると、\(V=4.64\)です。
次に、
B: コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。
この場合イベントは2つで、同じ確率で起こるので、\(n=2\)、\(x_1=200\)、\(x_2=0\)、\(p_1=p_2=0.5\)となります。
これを式(1)に代入すると、\(V=2.92\)です。
おー、Aの総合価値の方がBの総合価値よりずいぶん大きいですね!
それで圧倒的多数の方が選択肢Aを選んだわけですね♪
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